Windows 365 の導入でデバイス管理の手間を低減。
セキュリティを高めたまま、どこでも働ける環境を提供。

脱炭素エネルギーバリューチェーンの構築を目指す

1973年に機械のプラント商社として創業した伊藤忠プランテック株式会社は、創業50周年を迎える直前の2022年4月に、次の10年を見据えた長期経営戦略「ITP VISION 10」を掲げています。

伊藤忠プランテック株式会社 取締役 常務執行役員 CFO・CAO の松井 紀雄氏は、この戦略は、同社の全社ミッションである「全てのステークホルダーを笑顔にする唯一無二のビジネスパートナー」を実現するためのものだと説明します。
「ITP VISION 10 は、社員が社内グループワークなどを通じて ITP をどのような会社にしたいのかを社員全員で話し合うことを出発点とし、経営層と対話の上作り上げたものであり、今日の社員のモチベーションとなっています。」(松井氏)。

ITP VISION 10 では、10年後の税引き利益を100億円としているほか、プラント商社として求められる脱炭素エネルギーバリューチェーン構築への取り組みも明記されています。
「脱炭素ビジネスは、伊藤忠グループとしての取り組みと当社ならではの顧客に対するきめ細かいサービスを融合させ、顧客満足度の高いサービス提供に取り組み続けています。再生可能エネルギーを使って電気を作る上流から送電してユーザーに使ってもらえるまでの脱炭素バリューチェーンの構築していきたいと考えています」。

伊藤忠プランテックでは、2016年のメールシステム更改に伴い、Microsoft 365 の導入を検討しました。
「グループウェア機能が備わっており、複数の製品・パッケージを組み合わせるよりもコストを低減できるという点から、Microsoft 365 を導入しようと考えました」と伊藤忠プランテック株式会社 経営管理部 IT企画チーム チーム長の田中 克典氏は話します。

Microsoft 365 と Windows 365 の導入

Microsoft 365 の構築保守パートナーとしてさまざまな会社を検討していた伊藤忠プランテックは、最終的に TOSYS の Livestyle サービスを採用しています。
「当時は、専任の情報システム部門がなく、人事・総務担当者が IT に関する企画、プロジェクト推進、運用・保守業務を兼務していました。IT 専門知識がない会社が新規サービスを導入するにあたり、提案時より最もわかりやすい説明をしてくれたのが TOSYS でした」(田中氏)。

IT 専任者がいなかった時代を松井氏は次のように振り返ります。
「私は2020年に伊藤忠プランテックに着任しましたが、IT専任者が不在であることに大きな危機感を感じたため、2021年にキャリアを有する田中に来てもらい、IT企画チームを立ち上げました」。

2022年には、ITP VISION 10 の実現を支える「次期クライアント基盤整備」として、仮想デスクトップ環境の導入を検討し始めます。
「コロナ禍を経て、地球上のどこにいても同じように仕事ができる環境を整備する必要があると考えていました。また、BCP の観点からも仮想デスクトップ環境は有効です。さらに、伊藤忠グループが求めるセキュリティスタンダードに準じたサイバーセキュリティ対策を講じられる環境も必要でした」(田中氏)。

次期クライアント基盤としては、このまま FAT クライアントを使う、オンプレミスで VDI を利用する、DaaS を利用する、といった選択肢があり、DaaS にもさまざまなサービスがありましたが、マイクロソフト製品との親和性、クライアントやセキュリティの一元管理、デバイスの運用・保守、コスト等、総合的な観点から Windows 365 の導入を決定しました。
「導入検討当初は、IT 専任者が私1人だったので、クライアント環境の運用管理においても Windows 365 が最適だと考えました。Windows 365 であれば、デスクトップ環境だけメンテナンスすればよく、ベースとなる環境の運用負担を低減できます。Microsoft 365 の環境を TOSYS がしっかりと運用してくれていたので、Windows 365 でも同様のサポートが受けられることが期待でき、コスト面も含めて TOSYS の Livestyle サービスを選択することがベストだと考えました」。

「伊藤忠プランテックに入社した頃は、TOSYS ってどんな会社なんだろうと思っていました」と笑う田中氏に、Microsoft 365 の運用から Windows 365 の導入・運用での TOSYS の印象を聞くと、次のように答えてくれました。

「TOSYS はマイクロソフト社とのパートナーシップが深く、マイクロソフト製品のプロフェッショナルであるため、セキュリティの不安は感じませんでした。マイクロソフト製品には必要十分なセキュリティ機能が備わっているので、その点でも不安はありませんでした。TOSYS は長野の会社ですが、導入するものがクラウドなので、ロケーションを意識しなくてもよく、遠隔からでも保守を行えます。多くの打ち合わせや定期ミーティングはリモートで行えるし、必要であれば、東京までサポートに来ていただけるので、地方の会社だからということは気になりませんでした」。

デバイスをセキュアかつ利便性高く扱える

Windows 365 を導入することによって、伊藤忠プランテックはデバイス管理やセキュリティ、運用負荷の面でメリットを感じているようです。
「これまで会社の FAT PC を持ち出す際には、まず持ち出し申請を行う手間がかかっていました。その後、会社に持ち帰ると、ウイルスチェックを行い、セキュリティアップデート用の LAN につないで Windows Update やセキュリティパッチの適用してから社内 LAN に接続を行っていました。アップデートには時間がかかってしまうこともあり、ユーザーにとって大きな負担となっていました。Windows 365 導入後は、PC でクラウド上の Windows 環境に接続するだけとなり、これらの手間はなくなりました。Windows 365 や Microsoft 365 の導入時に我々だけですべての設計や設定を行うことは大きな負担となるので、そこを TOSYS に任せることができたのはよかったと思います。運用・保守で発生する個別の問題やトラブルに対しても、迅速に対応してくれていると思います」(田中氏)。

また、デバイス管理の上では Intune も非常に役立っているといいます。
「社内利用においては、Active Directory によるデバイス制御でも十分ですが、外出先や自宅に PC を持ち出す際においては、Intune によるインターネット経由でのデバイス制御、Windows Update 、ソフトウェア配信はとても有効です。現状は Hybrid ADJoin により Active Direcotry と Intune 双方での制御を行っていますが、会社支給のスマートフォンも含めて Intune にデバイス制御を統一することも検討しています」(田中氏)。

IT の力で業務自動化や新規ビジネス創出に挑戦

今後整備していきたい IT 環境について、田中氏は次のように話します。
「TOSYS から新しい技術に関する情報提供をいただいていている中で、Microsoft 365 Copilot には非常に興味がありますね。伊藤忠グループとしても生成 AI の活用に注目しているので、どのような形で使うかは検討中ですが、使わない手はないと思っています。また、業務の一部では RPA を導入していますが、よりクリエイティブな作業に注力してもらうためにユーザー自身が作業を自動化できる環境を全社に整備していきたいですね」。

また、松井氏も次のように話してくれました。
「財務・経理・人事といった社内で生成されるデータだけでなく、グローバルビジネスグループやソリューションビジネスグループのビジネスで取り扱うデータには大きな価値があると認識しています。これらのデータを可視化して活用できる統合データ分析基盤を整備し、ITP VISION 10 を目指すための新規顧客開拓や新規ビジネス創出の支援につなげたいと考えています。TOSYS には、今後も技術面や運用・保守におけるご支援をお願いしたいですし、新しい技術やサービスに関する情報提供やハンズオンミーティングの開催にも大いに期待しています」(松井氏)。

「今後も、バリューチェーンでの脱炭素プラットフォーム構築に力を入れていきたいですね。我々には、国内外でビジネスを展開してきた強みがあり、海外では ECP( Engineering , Procurement , Construction )によるプラントビジネスを全世界で推進してきた経験があります。国内では省エネルギーに取り組み、約1万店舗のコンビニエンスストアを中心に高圧受電サービスにより電力料金削減に貢献しています。太陽光発電や地熱発電、蓄電池等も使いながら、次の時代の電力ビジネスを支えていきたいと考えています。再生可能エネルギーを中心とした電力インフラを提供することで世の中に貢献していきたいですね」と今後のビジネスについても話す松井氏。

伊藤忠プランテックは、社員が常にモチベーションを高く保ち、誇りを持って働ける会社、そしてステークホルダーにとって魅力的な会社となるよう、今後もビジネスを展開していきます。

左から TOSYS 手塚 / 伊藤忠プランテック 田中氏、松井氏、殷氏 / TOSYS 小林

プロフィール

伊藤忠プランテック株式会社

代表者:代表取締役社長 浅田 裕彦
設立:1973年4月2日
従業員数:102名(2024年4月現在)
本社所在地:東京都港区

2023年4月に創業50周年を迎えた伊藤忠プランテックは、伊藤忠商事・機械カンパニーの中核事業会社として、水・電力・OIL&GAS などのユーティリティー、エネルギー、環境関連分野ならびに重工分野に特化した事業を国内外で展開しています。中堅企業の良さと伊藤忠商事グループ企業としての総合力を活かして。輸出入、国内販売のプロフェッショナルな集団として活動を続けています。時代の変化をいち早く鋭敏に嗅ぎ分け、内外の顧客の要請に応えることを最大の使命と考え、同時に社会の一員として、よき企業市民として、社会から支持・信頼されて「社会に貢献する企業」を目指しています。


※本ケーススタディに記載された情報は制作当時(2024年10月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。
※本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。記載のサービス内容は、予告なく変更する場合があります。予めご了承ください。
※記載されております社名、製品名およびサービス名は、各社の商標および登録商標です。
※本事例内容の転載、複製、改変等を禁止します。