情報漏えいの抑制に Windows 365 を導入。
Azure AD Join でADの運用も見直していく。
リモートワーク環境を VPN から DaaS に移行することを検討
「面白いことを創造し、知恵と感動を共有する」を経営理念としている株式会社インプレスホールディングスは、IT、音楽、デザイン、山岳自然、モバイルサービスなどの専門分野ごとの個性的なメディアブランドによる雑誌・書籍などの出版を中心に、WebメディアやSNS、イベントセミナーなども展開しています。
インプレスグループでは、新しい働き方に対応すべく、2020年頃からオフィスの改装を行い、フリーアドレス化やテレワークを推進してきました。「社内リソースへのアクセスにクラウド型のVPNを使ってテレワークできるようにしていましたが、テレワークが主流となるにしたがってPCの持ち運びが増えると、PCの紛失や盗難による情報漏えいのリスクが課題となってきました。もちろん、EDR や MDM を導入した端末管理を行ってセキュリティを高めていましたが、社員だけでなくお客様の情報や機密情報を取り扱う場合の安全性を高めるためにも、仮想デスクトップサービス(DaaS)を活用し、PC側にデータを置かないようにすることを検討し始めました」とファシリティ統括室 室長の森島 登氏は話します。
ファシリティ統括室では、複数の DaaS を比較・検討した結果、マイクロソフトの DaaSサービス「Windows 365 Enterprise」が最適だと判断したと森島氏は話を続けます。「DaaS の中には、コントロールパネルがサーバー寄りで使い勝手がよくないものもありました。また、これまで使っていたサブスクリプションタイプの Officeライセンスを使えず、新たにライセンスを購入するためにコストがかかってしまうサービスもある中、運用しやすく、通常の Windows と同じような感覚で利用できる Windows 365 が最適ではないかと考えました」。
実績や技術力の高さから TOSYS Livestyle を採用
Windows 365 の導入を進めるため、 Azure や Microsoft 365 の事例や実績がある会社を4社に絞っていったと森島氏は当時を振り返ります。「これまでは都内近郊の会社に声がけして直接顔を合わせて作業を進めていましたが、クラウドサービスの導入であるため、地方の会社とのやり取りにもトライしてみたいという気持ちも強く、全国で Windows 365 の実績がある会社を探していました」。
4社の提案の中で TOSYS は、製品の新機能をいち早く取り入れた提案を行い、インプレスホールディングスの要望を聞きながら最適な環境を構築する提案をしてくれたと森島氏は高く評価しています。また、将来的にオンプレミスの Active Directory を Azure AD に移行することを検討していたため、当時リリースされたばかりの、オンプレミスの Active Directory と Azure AD を同期する追加システム不要で Windows 365 が利用できる「Azure AD Join」構成を提案したことも決め手となっていました。さらに、TOSYS が提供する Windows 365 のマネージドサービスは、他の DaaS に比べて2/3のコストでユーザーに提供できたといいます。
2022年8月から Azure AD Join 構成で Windows 365 の導入を開始したインプレスホールディングスでは2022年11月に管理部門の一部のユーザーが利用し始めています。「TOSYS は、我々の要望に対して複数の提案をしてくれて選択する余地を与えてくれました。できることとできないことをハッキリと説明してくれて、できないことをどのようにするかも説明してくれたので理解しやすかったですね」と森島氏が話せば、ファシリティ統括室の谷内 友和氏も次のように続けます。
「導入中は、名前解決や IPの問題が出たり、独自アプリケーションやドライバのインストールがうまくいかなかったりしましたが、TOSYS は迅速にリカバリしてくれて、導入だけでなく先々の運用まで見据えた提案をしてくれました。質問してもマイクロソフトに聞いてから回答する会社もある中で、TOSYS はすぐに回答を返してくれて安心してやり取りすることができました」。
導入後の展開もスムーズで使いやすさも高評価
ファシリティ統括室の梶川 美穂氏は、「TOSYS には非常に丁寧な設定の手順書を作っていただき、助かりました。ユーザーに展開するときにもその手順書を活用できたので、特に教育などを行う必要もなく、スムーズに展開できたと思います」と導入後の展開を評価しています。また、使ってみた感想を次のように教えてくれました。「VPNの接続に時間がかかることもありましたが、Windows 365 は接続の手間もなく、通常の Windows と同じような操作感ですぐに社内ネットワークを利用できるところがいいですね」。
森島氏もユーザーの反応を次のように教えてくれました。「自宅のPCの性能が低くても、スムーズに仮想デスクトップを使うことができるという声を聞いています。データを扱うのは Microsoft 365 で、PCの Windows は Web会議に使うなど、2つの Windows を使い分けているユーザーもいるので、使い慣れてきていると感じています」。
さらに森島氏は、将来的な展開について次のように話してくれました。「現時点では、管理部門の一部のユーザーが試験的に使っている段階ですが、将来的にはインプレスホールディングスの管理部門全体に利用を拡げ、各グループ会社の管理部門にも展開していきたいと考えています。導入のきっかけは情報漏えいの抑制でしたが、使っていく中で便利な使い方も見つけていきたいと思います」。
Azure AD への移行や Azure の有効活用も考えていく
谷内氏は、次のように今後の AD移行について話しています。「オンプレミスの AD用のサーバーのサポート終了時期が近づいています。テレワークが中心となる働き方になっている中で、Azure AD のほうが親和性が高いのではないかと考えているので、今後もオンプレミスでADを管理するのかを検討する必要があります。また、2020年から受付のシステムなどのさまざまなシステムを導入してきたので、2023年はそれらのシステムを見直して最適な環境になるようにシステムを入れ替えたり、ブラッシュアップする年になると思います」。
最後に森島氏は、TOSYS への期待を次のように話してくれました。「今回の導入を通して、地方の会社がオンラインでも十分に協力してもらえることがわかりました。また、TOSYS は信頼でき、技術力も高く、運用まで考えた提案をしてくれることもわかりました。今後も Azure の有効活用に関する提案や、マイクロソフト製品を含めたさまざまな提案で我々の要望を叶えていただけると助かります」。
個性のあるさまざまな専門分野の出版物やメディアを展開しているインプレスホールディングスは、時代に合わせた働き方を実現しつつ、今後も人々の生活や知識を豊かにする情報を提供し続け、面白いことを創り続けるために「出版の未来」へ向かって羽ばたいていく。
プロフィール
株式会社インプレスホールディングス
代表者:代表取締役社長 松本 大輔
事業内容:グループ経営・財務戦略の策定
設立:1992年4月1日
従業員数:40名
本社所在地:東京都千代田区
株式会社インプレスホールディングスは、日本のメディア企業グループであるインプレスグループの持株会社です。2022年に30周年を迎えたインプレスグループは、IT、音楽、デザイン、山岳・自然、航空・鉄道、モバイルサービスなどの各専門分野に特化した事業会社などによって構成され、良質で魅力ある専門コンテンツをベースにデジタル技術を活用した出版イノベーションに常にチャレンジしています。
事業区分としては、各種メディア&サービスおよび法人向けソリューションなどを提供する「コンテンツ事業」と、コンテンツビジネスの企画開発や流通販売機能を提供する「プラットフォーム事業」の2つに大別されます。
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