メールの利便性を高めるためにOffice 365を導入。
乱立する各種システムをOffice 365へ集約も行っていく。

転送メールをクラウドベースのメールに変える

世界76の国と地域に7,000店舗、従業員数10.6万人の世界最大級の不動産仲介ネットワークであるセンチュリー21の日本法人である株式会社センチュリー21・ジャパン(以下、センチュリー21)は、1983年に創業され、首都圏、関西、中部、九州に加盟店を広げ、成長を遂げてきました。「首都圏を中心に事業を始めて全国展開し、ここ5年で札幌や仙台、広島などにも拠点を増やし、加盟店も全国約950店舗になりました」と話すIT企画部 部長の五井 哲治氏は、急成長する中でのIT統制の難しさを次のように説明します。「元々、不動産業界は他の業界に比べてIT化が遅れていると言われます。我々も、加盟店様とのやり取りに未だにFAXを使うこともあります。しかし、グループ全体で従業員数6500人を超えるようになり、加盟店様の規模もさまざまである中、ITを浸透させることが困難で、情報共有やIT統制を行いにくい状況にあることが大きな課題です」。

業務効率や売上が向上するシステムを入れていくことが使命となっているIT企画部では、顧客が家にいても物件説明をネットで聞ける仕組みなどを積極的に取り入れてきました。また、加盟店のケアや営業を効率的に行うために、これまでの業務を変えずに利便性を高めることを優先してきたため、数年ごとにグループウェアが変わり、現在は2つのグループウェアを使い分ける状態になっているといいます。

その中で、情報共有を行うために急務となっていたのがメールシステムの見直しであったとIT企画部の大武 由紀氏は説明します。「これまでのメールは、社外で使うことができなかったため、会社支給のスマートフォンに転送する形が取られていました。しかし、転送メールを読んだり、返信してもメールサーバと同期していないため、使い勝手がよくないという課題がありました。また、セキュリティ面でも問題があるのではないか、と考え、セキュアで利便性高く使えるクラウド型のメールを探していました」。

Office365を使うことで働き方も変えていきたい

普段からセンチュリー21のITを管理していた開発会社にメールの課題を相談した大武氏は、TOSYSのLivestyleクラウドサービスでOffice 365が提供されていることを知ったと、当時を振り返ります。「Exchange Onlineを使えば、メールの課題を解決できると考えましたが、気になったのは、東京の事業者ではなく、長野の事業者であることでした。物理的に距離があるので、何かあったときに対応してくれるかどうかが不安でしたね。しかし、やり取りする中で、電話やメールで迅速に対応してくれることがわかり、距離感を感じずにサポートしてくれることがわかりました」(大武氏)。

2016年8月にExchange Onlineに変えたセンチュリー21では、さまざまな効果が生まれているといいます。「コストが以前よりも低くなったことは大きいですね。以前のメールシステムでは、メーリングリスト1つ作るだけでも追加料金がかかっていましたが、Office 365では自由に必要なメーリングリストを作ることができます。また、Active Directory とメールアカウントを同期できたことや、使われていないメーリングリストを整理できたこともよかったですね」と大武氏は話します。利用者にとっても、社内と同じように社外でもメールを操作でき、メールの履歴や未読/既読の同期ができることで利便性高く使えるようになったといいます。「私は子供がいるため、残業することができないのですが、時間外であっても移動中の電車や家でメールが確認でき、ちょっとした対応ならすぐ行えるのは助かっていますね。我々の事業は、加盟店様のサポートをスムーズに行うことが重要ですが、いつでもどこでもメールを確認できて、情報を共有し迅速な対応が行え、資料などもある程度容量を気にせずに添付できるのは、業務の効率を高めることにつながっていると思います」と大武氏は話します。

クラウドを有効に利用することによって、子育て中などの社員も有効的な働き方ができると五井氏も話を続けます。「クラウドでメールを使えるようになり、これまで総務と兼務だった体制から、独立した人事部も設立されました。IT企画部としては、将来的にシステムをうまく使って、働き方を変えていけるようにしていくことも考えていく必要があると実感しています」。

シングルサインオンを実現して利便性を向上する

さまざまなシステムを利用しているセンチュリー21では、複数のパスワードを整理するために、TOSYSからの提案で「ネクストセット・シングルサインオン for Office 365」を利用しています。「これからグループウェアとの連携を行って、他のシステムもシングルサインオン化を進めようとしている段階ですが、パスワードが1つでも少なくなれば、利用者も便利になりますし、管理する側の手間も省けるようになると考えています」(大武氏)。

「以前は、個人のメールアドレスに転送することも普通に行われていましたし、個人的に他のクラウドメールを使っている社員もいましたが、Exchange Onlineを使うことで社内のセキュリティ意識も高まっていると思います。会社支給のスマートフォンやタブレットを万が一落としてしまっても、遮断してメールが見えないような設定が行えるのも安心です」と話す大武氏は、スパムメールの数が確実に減ってきていることや、障害やメールの不正利用がなくなっていることを高く評価しています。

TOSYSの構築から導入後のサポートについてたずねると、大武氏は次のように答えてくれました。「担当の方がさまざまな提案してくれたことも、ありがたいと思っています。サポートに連絡して誰が出てきても、我々の状況をしっかりと把握してくれていて、迅速に解決案を出してもらえるので、非常に助かっていますね」。

Office365の他の機能ももっと使っていきたい

センチュリー21では、Exchange Onlineだけでなく、他の機能を利用することも検討し始めているといいます。「同じライセンスコストでさまざまな機能を使えることもあり、個人的には社内のシステムを整理して展開していきたいとは考えています。Office 365で業務効率を上げられるような仕組みが作れるのであれば、社内に提案して広げていきたいと考えています」と大武氏は話します。

大武氏の話を受けて、五井氏も次のように話してくれました。「我々の事業のメインは、加盟店様のサポートと営業です。これらの業務で使いやすいものを優先的に入れていく必要があるため、さまざまなシステムを使ってきましたが、事業が拡大する中で、今後は集約して無駄を省くことも考えていかなければなりません」。

将来的には、情報共有やコミュニケーションの活性化を進めるためにMicrosoft Teamsなども活用し、One DriveやSharePoint Onlineなども使って資料の共有なども行っていきたいと、センチュリー21では考えています。また、現在利用しているテレビ会議システムの障害が多いため、Skypeなどの利用も検討しているといいます。

「事業規模が大きくなってきている中で、コスト削減やIT統制を進め、システムを集約するために、TOSYSには使いきれていないOffice 365の機能を紹介してもらい、業務に合わせてカスタマイズできるのかどうかも含めて、我々の業務がどのように便利になっていくかをどんどん提案してもらいたいですね。これらのシステムを展開して、業務を変えていくときには、エンドユーザーの抵抗感が問題となります。システム導入だけでなく、展開や教育も手伝っていただき、どのように活用すればよいかなどのヒントも教えてくれることを大いに期待しています」と最後に五井氏は話してくれました。

プロフィール

株式会社センチュリー21・ジャパン

代表者:代表取締役社長 長田 邦裕
事業内容:不動産
フランチャイズ設立:1983年10月21日
取扱証券取引所:ジャスダック
本所所在地:東京都港区

世界最大の不動産仲介ネットワークであるセンチュリー21の日本法人として1983年に創業された株式会社センチュリー21・ジャパンは、2017年10月時点で加盟店舗数を約950店舗に拡大し、日本全国に店舗展開を行っています。各地域に深く根付いた多くの加盟店を通じて、不動産仲介業務を世界共通の「CENTURY21」というロゴマークの下に、厳しい行動基準と高い倫理観を持って運営し、店舗数においても、お客様へのサービスの質においても、常に業界のリーダーであるという自負と自覚を持ってNO.1を目指すことを経営理念として、さらなる成長とよりよいサービスの提供に努めています。