グローバルでID統合し、Office 365を導入。
真のグローバル企業を目指し、統一された情報基盤を導入する。
グローバルでの共通情報基盤にOffice365を採用
株式会社ミマキエンジニアリングは、大型インクジェットプリンタやカッティングプロッタなどを独自開発し、製造販売しています。世界約150の国と地域に製品やサービスを提供し、2016年には3Dプリンタを新たに開発するなど、シェア拡大と売上高拡大を果たしてきました。また、中長期・成長ビジョンとして「M1000」を掲げ、1,000億円企業に向けた成長戦略と真のグローバル企業に向けた取り組みを進めています。
真のグローバル企業を目指しているミマキエンジニアリングでは、これまでの .jpドメインから.comドメインに移行させるのを期に、海外子会社も含めてID統合を行うことを計画し、共通したコミュニケーション基盤を導入しようと考えました。「以前は、日本だけでGoogle Apps(GmailやGoogle Drive)を利用し、海外子会社はそれぞれ別のコミュニケーション基盤を利用していました。海外とは、メールや電話でしかコミュニケーションが取れない状態であったため、.comドメインに移行するのを期に、グローバルで共通のコミュニケーション基盤を使おうと考えました」と株式会社ミマキエンジニアリング 管理本部 経営情報システム部 システムインフラ企画推進グループ リーダーの阿部 正樹 氏 は話します。
「最終的に、Microsoft Office 365(以下、Office 365)を採用したのは、Google Appsは規制などで中国で利用しづらい点がポイントでした。また、これまでも業務で利用してきたMicrosoft Officeに近いUIで利用できることや、親和性の高さなどもOffice 365の優位点でした。使いやすい豊富な機能があることも、Office 365を採用した理由の1つです。Skype for BusinessやSharePoint Online、Teamsなどの我々の求めている機能が提供されている点がよかったですね」(阿部 氏)。
対応力の高さと優れた提案でTOSYSをパートナーに
2016年8月ごろからOffice 365の導入を検討し始めたミマキエンジニアリングは、導入構築パートナーとしてTOSYSを選択しています。「海外子会社などでバラバラに管理されていたIDを統一することから始めたときに、TOSYSからID統合に対する方針計画などの提案を受けました。Office 365の導入を進めながらIDを統合でき、日本のActive Directoryをベースに中期的なスケジュールで海外のIDをクラウド側で統合していく計画をご提案頂いたことがTOSYSに決めた理由ですね。導入検討時から、Office 365に関する情報を提供してくれたことも助かりました。また、オンプレミスのサーバなどもTOSYSに手伝って頂いていますが、休日にトラブルが発生した場合に連絡すると、すぐに駆けつけて休日が終わるまでに修復してくださるなど、対応力やサポート力が高く、少々無理な相談もしっかり聞いてくださることも安心できます」(阿部 氏)。
実際の構築では、TOSYSが提供する時間チケット制のエンジニアリングサービス「定額アドバイザリーサービス」が役に立ったといいます。これにより、一定の時間内でPOCの作成や機能検証、マニュアル作成などのサポート業務や技術支援業務を受けることができ、SharePoint Onlineなどを最適な形で構築することができます。「あまりコストをかけられない状態の中で、業務に合わせたカスタマイズをフルに行うのは無理があります。標準機能でできる範囲でTOSYSが土台となるPOCを作り、それを基に社内で構築作業を行うことで、コストを抑えながら満足のいく基盤を作ることに成功できたと思います」と阿部 氏は話します。
また、「メール、カレンダー、連絡先の移⾏などは、すべてTOSYSに任すことができ、SkyKickというクラウド移行アプリケーションを用いて、TOSYSのエンジニアがデータを問題なく移⾏してくれたので、ユーザーの⼿を煩わすことなく、移⾏作業をスムーズに終えることができました。」と同社の林 純一 氏は話します。
情報共有とコミュニケーション活性化が進む
「Office 365の展開は、業務でのシステムの利用状況調査を事前に行い、現在行っている業務をOffice 365でできることを理解してもらったり、TOSYS提供の手順書もあったので、スムーズでした。導入後のエンドユーザーからの問い合わせは少なく、迷うことなく利用できていると思います」と同社の堀内 大作 氏は話します。
元々、HTMLベースで利用していた社内ポータルをSharePoint Onlineにすることによって、最新の情報を発信できるポータルにすることができたと、堀内 氏は話しを続けます。「以前のポータルは、コンテンツを置いていくだけなので、情報を探すのも大変で、見栄えもよくありませんでした。また、HTMLを知らないとメンテナンスができないため、情報がどんどん古くなってしまいます。 SharePoint Onlineでは、全社員へのお知らせなどをフォームに書き込むだけで、発信しやすく、検索しやすいため、情報を整理してわかりやすく伝えることができます」。
Teamsについては、導入後に簡単な説明しかしていなかったにも関わらず、開発の1部署が使い始めると開発部全体で使うようになり、現在では、経営のトップも積極的に使い始め、あるプロジェクトでは経営層からTeamsをメインのコミュニケーションツールにするように指示が出るほど、スタンダードなコミュニケーションツールとなったといいます。「ボトムアップで利用が広がったのが、Teamsですね。同じ業務に関わるさまざまな部署に関わる人をチームにして情報が伝わりやすくなることを、使いながらわかってもらえたと思います。チャンネルやスレッドでわかりやすく情報を伝達でき、コミュニケーションしながら意思決定を早くできることも、Teamsの魅力だと思います」(林 氏)。
Skype for Businessも活用することで、海外などの出張中の社員や外部ともWeb会議ができ、大いに活用しているといいます。また、Office 365の設計打ち合わせを行う際も、ミマキエンジニアリングとTOSYSとでSkype for Businessを使った会議を行い、資料ファイルを共有しながら設計を進めていったことを林 氏は明かしてくれました。さらに、画質や音質についても、SOF(Skype Operations Framework)の認定を取得しているTOSYSがインフラ増強などのサポートを行ったため、テレビ会議システムと違和感なく使える点もよかったといいます。
ライセンス管理にも役立つ管理センター
「我々は、システムインフラの管理が重要な業務ですが、社内にサービスを提供する部門として、経営層との意見をすり合わせながら、社内の業務が円滑かつ効率よく進むようにツールを提供していくことを意識しています。最初から新たなものを導入するのを禁止するのではなく、提供できる可能性があるかどうかを考えながら判断していくことが重要です。今後はグローバルでの展開を進めながら、どのように活用していくかを啓蒙していきたいですね」と阿部 氏は話します。
また、「Office 365は管理センターでIDとライセンスの紐付けができ、意識しなくてもライセンス管理を適切にしっかりと行うことができるので、コンプライアンスの面でも助かります」と林 氏は話し、最後に阿部 氏も次のように話してくれました。「これまでは、各子会社が必要に応じてOfficeなどのソフトを導入していましたが、統一した情報基盤を使い、ライセンス管理を行うことが重要です。また、我々はEUに複数の子会社があるので、将来的には2018年5月のGDPR(EU一般データ保護規則)にもしっかりと対応し、ライセンス管理も含めた基盤の整備を検討していきます」。
プロフィール
株式会社ミマキエンジニアリング
代表者:代表取締役社長 池田 和明
事業内容:コンピュータ周辺機器及びソフトウェアの開発・製造・販売
設立:1975年8月
従業員数:連結1,580名(2017年3月末日現在)
本所所在地:長野県東御市
1975年に設立された株式会社ミマキエンジニアリングは、業務用インクジェットプリンタやカッティングプロッタを独自開発し、世界約150の国と地域に向けて提供しています。広告・看板などのサイングラフィックス、工業製品などのインダストリアルプロダクツ、衣料品・布地などのテキスタイル&アパレルの3つのモノづくり市場を支えてきました。インクジェット技術とカッティング技術を柱とした市場志向の製品開発により、デジタル・オンデマンド生産のマーケットリーダーを目指し、3DやIoTといった新たな分野にも挑戦を続けています。