SharePoint のライブラリやリストで使用できる「バージョン履歴」機能をご存じでしょうか。
ドキュメントやリストアイテムの変更履歴を確認したり、過去のバージョンに戻したりすることができ、SharePoint と OneDrive におけるデータ保護に必要不可欠な機能です。特に複数のユーザーでデータを操作する環境で有用な機能でもあります。

バージョン履歴でできること

1.以前のバージョンの確認
現在のバージョンを上書きせずに以前のバージョンを表示できます。
いつ誰が更新したかの確認にも使用できます。

2.以前のバージョンへ復元
現在のバージョンを誤って上書きしてしまった場合に、以前のバージョンに戻すことができます。

「時間制限」の設定が可能に

これまでは、いくつバージョン履歴を保持するかの「バージョン数制限」のみ設定可能でしたが、何日間分のバージョン履歴を保持するかの「時間制限」の設定もできるようになりました。
組織全体に対する設定と、各サイト単位の設定についてご紹介いたします。

1.組織設定

組織設定は、その名の通り SharePoint 全体に適用される設定です。

【組織設定のポイント】
・設定変更以降に作成したサイトに対して適用されます。
・既存のサイトは影響を受けず、これまでの設定値のままとなります。
・既存のサイトにも適用したい場合は、各サイトで設定変更する必要があります。
・最新のバージョンは削除されません。

【手順】
1.SharePoint 管理センター にアクセスします。
2.設定 > バージョン履歴の制限 の順にクリックします。
3.以下の画面が表示されますので、任意の値を設定し、「保存」をクリックします。

バージョン履歴の制限は「自動」か「手動」かを選択できます。

選択肢説明
自動(★推奨)アルゴリズムにより、ファイルの利用頻度や重要度に基づいてバージョンを管理します。必要とされる可能性の高い少数のバージョンが保持されます。手動管理の手間を省くことが可能です。※
手動(既定値)【既定値】
メジャーバージョンの数:500
時間:しない

【設定可能範囲】
メジャーバージョンの数:100~50000
時間:30~36500日

※参考情報:[自動制限] の下のバージョン ストレージについて

2.サイト設定

組織設定では要件を満たせないドキュメントやリストアイテムがある場合は、各サイトで設定をすることも可能です。ライブラリとリストで少し設定が異なりますので、それぞれの設定をご紹介いたします。

【設定のポイント】
・新しく作成されたバージョンに対して適用されます。
・既存のバージョンについては、時間制限は影響を受けません。例1参照。
・既存のバージョンの数は影響を受けます。例2参照。

【例1】
30日より以前のバージョン履歴を削除する設定にした場合でも、31日前のバージョン履歴は削除されません。

【例2】
既存のバージョン数が400あるライブラリ(リスト)でバージョン数制限を300に設定した場合、ドキュメント(アイテム)が更新されるたびに21個ずつバージョンが削除されます。
バージョンの削除は、設定値の300になるまで繰り返されます。

ライブラリの設定

【手順】
1.任意のライブラリにアクセスします。
2.設定(歯車マーク) > ライブラリの設定 > その他のライブラリ設定 の順にクリックします。
3.バージョン設定 をクリックします。
4.以下の画面が表示されますので、任意の値を設定し、「OK」をクリックします。

設定箇所既定値設定可能範囲
バージョンの時間制限時間制限なし制限時間なし or 自動 or 手動(30~36500日)
バージョン数の制限500100~50000

リスト設定

【手順】
1.任意のリストにアクセスします。
2.設定(歯車マーク) > リストの設定 の順にクリックします。
3.バージョン設定 をクリックします。
4.以下の画面が表示されますので、任意の値を設定し、「OK」をクリックします。

設定箇所既定値設定可能範囲
このリストのアイテムを編集するたびにバージョンを作成するはいはい or いいえ
アイテムのバージョン履歴501~50000

最後に

SharePoint と OneDrive のバージョン履歴には、『組織設定』と『サイト設定』があります。
既定の設定のままだと多くのバージョン履歴が残り、ストレージを圧迫してしまう場合があります。
サイトごとに設定値を変更するなど、効果的にご活用ください。