Microsoft Places は、2024年12月に実装された「どこで誰が働いているのか」の情報を取得できるアプリです。Microsoft Teams、Outlook などの Microsoft 365 アプリと連携して使用することが可能で、オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークにおいて真価を発揮します。
本記事では、Microsoft Places の基本機能とカスタマイズ方法についてご紹介いたします。

Microsoft Places の基本画面

Microsoft Places は Teams、Outlook と連携しての使用が基本となりますが、まずは Places Web アプリ開いた場合の画面を紹介します。
※管理者が Teams 管理センターのアプリ管理にて、Places を許可済み(既定値)にしている必要があります。

Web アプリ:People | Microsoft Places

上の画像のようにユーザーの出社状況や、在宅予定、休日を一目で把握することが可能です。
なお、後ほど紹介しますが、出社状況の設定はユーザーごとに設定を行う必要があります。設定を行っていないユーザーは予定が空白のままとなります。

勤務時間と勤務場所の設定方法

Web 版 Outlook または新しい Outlook より、勤務時間と勤務場所の設定が可能です。設定はユーザーごとに行う必要があります。
Outlook を立ち上げ、設定(右上の歯車マーク) > 予定表 > 勤務時間と場所 にアクセスします。ここで設定した内容が Microsoft Places に反映されます。
なお、「位置情報の共有」は、「大まかな位置を表示」または「すべての詳細を表示」にしておかないと、他のユーザーが勤務場所の参照ができないためご注意ください。


その日ごとの勤務先は Teams でも設定が可能です。
Teams を立ち上げ、右上のアイコンより「勤務先の場所を設定する」をクリックし、オフィスまたはリモートを選択します。

Outlook や Teams に Microsoft Places を組み込む

Outlookの場合

Web 版 Outlook または新しい Outlook では、Microsoft Places を開くことが可能です。
左のメニューバーより「その他のアプリ(四角い4つ窓のアイコン)」を選択し、「アプリの追加」より 「Places」を検索して追加可能です。

Teams の場合

Teams の場合は左のメニューの「アプリ」より「Places」と検索、「追加」することで利用が可能となります。

カスタマイズ:勤務場所の選択肢を追加をする方法

既定では勤務場所は「オフィス」か「リモート」の2択のみですが、必要に応じて選択肢を追加することも可能です。ユーザー側では設定できないため、管理者による操作が必要です。

【前提条件】

  • Power Shell 7 バージョン7.4.0 以降が必要です。
  • 操作するユーザーに対して以下のロール以上の権限付与が必要です。
    • TenantPlacesManagement (Places の管理)
    • MailRecipient (ユーザーとメールボックスの管理)

【手順】

1 . Microsoft Places PowerShell モジュールのインストール
モジュールのインストールが行われていない場合は以下のコマンドを実行してモジュールをインストールします。
Install-Module -Name MicrosoftPlaces -Force

2 . Microsoft Places へ接続する
以下コマンドを実行し、前提条件を満たすユーザーでサインインします。
Connect-MicrosoftPlaces

3 . CSVファイルをダウンロードする
次のコマンドを実行します。
Initialize-Places
1~3の選択肢が表示されたら、「1」を入力して Enter を押下し、CSVファイルの保存先を入力して再度 Enter を押下します。

Initialize-Places コマンド実行後の実際の画面

4 . ダウンロードした CSVファイルを編集する
(1) CSVファイルを開き、 「InferredBuildingName」、「InferredFloorName」、「InferredSectionName」、「PrimarySmtpAddress」を除くすべての列を削除します。
(2) 列の削除後に「InferredBuildingName」,「Inferred FloorName」に任意の建物名とフロア名を追加または修正し、CSVファイルを保存して閉じます。

修正後の CSVファイル

5 . 完成した CSVファイルをアップロードする
次のコマンドを再度実行します。
Initialize-Places
1~3の選択肢が表示されたら、「2」を入力して Enter を押下し、どのファイルをアップロードするかを指定します。
本記事では C:\202501_letter\ResourceAccountsMapped.csv を実行します。

CSV ファイルを実際に読み込ませたときの画面

6 . 設定反映の確認
設定が反映されると、Teams の勤務場所の設定に「建物を追加します」というメニューが追加されます。
追加した建物の一覧が表示され、任意の建物をできるようになります。

最後に

Microsoft Places は、ハイブリッドワークを採用している組織であれば、相手の状況が一目で確認できる便利なツールです。今後も続々と機能が追加されていくことが予想されます。まずは Microsoft Places に少しでも触れていただけますと幸いです。