
クラウド活用が進む中、サイバー攻撃は高度化し、コンプライアンス対応の重要性も増しています。特に中小企業では、限られた予算や人員の中でセキュリティを強化しながら、取引先からの要求や法規制への対応も進めなければならないという現実があります。
こうした課題に応えるため、中小企業でも手軽に高度な防御を実現できる新しい選択肢が登場しました。
本記事では、Microsoft 365 E5 相当の機能を Microsoft 365 Business Premium で利用できるアドオンをご紹介いたします。
セキュリティとコンプライアンス機能を低コストで
日常的にクラウド利用をしている今、「セキュリティを強化したい」というニーズが急増しています。
これまでセキュリティ強化を行う場合、Microsoft 365 E5 への切替または個別アドオンの購入が必要でしたが、コストが割高になるなど導入ハードルが高いことが課題でした。
2025年9月に登場した「Microsoft Defender Suite for Business Premium」と「Microsoft Purview Suite for Business Premium」は、Microsoft 365 E5 相当のセキュリティとコンプライアンス機能を低コストで実現することができるアドオンです。
どんな企業におすすめ?
これらのアドオンは、次のような企業に特にメリットがあります。
- 従業員数 50~300名程度の中小企業
→ Microsoft 365 E5 への全面移行はコスト負担が大きいが、セキュリティ強化は必須。 - クラウド利用が進んでいる企業
→ Teams、SharePoint、OneDrive で機密情報を扱うケースが多い。 - 取引先からセキュリティ認証を求められる企業
→ ISO27001 や SOC2 などの認証取得を目指す場合、Purview のコンプライアンス機能が有効。 - リモートワークやモバイルワークをしている企業
→ エンドポイント保護や条件付きアクセスの強化が不可欠。

活用例
Microsoft Defender Suite for Business Premium
Microsoft 365 Business Premium では条件付きアクセスや基本的なセキュリティ対策のみですが、Microsoft Defender Suite for Business Premium をアドオンとして追加すると、以下が実現可能です。
- ID 保護の強化
→ ユーザーアカウントへの不正アクセスを防ぐため、多要素認証やリスクベースの条件付きアクセスを強化します。 - エンドポイントセキュリティの強化
→ PC やスマートフォンなどの端末を脅威から守り、マルウェア検知や自動隔離で被害を最小化します。 - メール攻撃対策の強化
→ フィッシングやビジネスメール詐欺を AI で検出し、悪意あるリンクや添付ファイルをブロックします。 - クラウドアプリの可視化
→ 社内で利用されているクラウドサービスを把握し、シャドーIT のリスクを低減します。
Microsoft Purview Suite for Business Premium
Microsoft 365 Business Premium では基本的な DLP や暗号化のみですが、Microsoft Purview Suite for Business Premium をアドオンとして追加すると、以下が実現可能です。
- 強固な情報漏洩対策
→ 機密情報を自動検出し、誤送信や不正持ち出しを防止するポリシーを適用します。 - 内部リスク管理
→ 従業員による不正行為や退職時の情報流出を監視し、早期に対応できる仕組みを提供します。 - 訴訟に対する備え
→ 電子情報開示(eDiscovery)や監査ログ管理により、法的要求やコンプライアンス対応を迅速に行えます。 - AI に関するデータ保護
→ Copilot などの AI 利用時に、機密情報が誤って生成・共有されないよう制御するポリシーを設定します。
最後に
Microsoft 365 Business Premium は中小企業向けに最適化されたプランですが、昨今のサイバー攻撃の脅威に対しては基本機能だけでは不十分です。事業継続のためにも、アドオンライセンスによる更なる対策を推奨します。
今回ご紹介した製品を含め、「セキュリティ対策について検討している・検討したい」や「何から手を付けていいか分からない」など、どんなことでも構いません。 お気軽にご相談ください。
